
──こんこん 4匹目
↓こんこん 4匹目_フライヤー

日程▸2024年8月6~9日 場所▸市営上小田中住宅集会所
ファシリテーター▸白濵凪沙
内容▸小学生を対象。これまでのワークショップは 1 日で完結する内容で行ってきたが、今回の企画では日程を4 日間設けることで将来想定するフリースペースの形に近づき、日を重ねることによる変化を楽しむことを目的とした。自分がどんなことを感じて考えている人間なのか、自分以外にどんな思考があるのか、そして言葉だけが人間のコミュニケーションの手段ではなく、非言語コミュニケーションの手段があるということを、恥ずかしさを感じることなく普段の生活にも取り入れてもらえるようなきっかけを見つけてもらえるような場を提供したいと考える。
ごはんタイム──ワークショップ開始前に自由参加で設ける。私は中学生の時、せっかく頑張って途中から学校に行 ったのに「昼ご飯だけ食べに来たんか」と言われたことが記憶に残っている。話せなくても家で1人 ってさみしい。自由参加の時間を1時間設けていることに意味がある。私は時間を守るのが苦手なの だが、それは怠惰といえばそう。あぁ行きたくないなと思っている間に時間が過ぎていき、10分ぐ らいの遅刻に繋がってしまうことが多くある。行きたいと思えるような空間を作ることも大切だが、 遅れても大丈夫、自分の用意ができたらいける場所にできたらいいなと思い、ごはんタイムとして1 時間の猶予を用意する。
レクリエーション──トランプ、名前覚えゲーム、ボール渡し、数字渡し、静かな森ゲーム
手紙ノート──全体で感想を言い合う時、全員が話せる機会はあまりないように感じる。その場で発言できなくて も思っていることはきっとあるはず。交換ノートのようにファシリテーターから返事を書いて渡せた ら一人一人と向き合える手段になりうるのではないかと考える。
はじめまして

はじめまして
自己紹介シート──プロフィール帳が小学生のころに流行っていたが、意外と自分が好きなものって聞かれると答える のが難しい。大学の授業で運命か偶然かという話題の際、好きな色を決めるのが運命(必然)か偶然がと いう話になったことがあるのだが、こういうプロフィール帳などで自分の好きなものはこれなのだと 無理やりにでも決めてしまわないと私が分からなくなってしまうという感覚になる。今回の自己紹介 シートを見るだけで性格診断ができそうだ。これからこのワークを行う時は、もっと自分を形作って いくためのシートではなくて、好きかもしれないを考えられるようなものにしたい。
また、今回初めて模造紙を取り入れて、会話をしていて思ったことを真ん中に置いてある模造紙に 書き込んでいくというものを導入してみた。使い方として、自由なタイミングで書き込んでいくこと を目指していたのだが、やはりいきなりは難しかったので、質問をしみんなで答えを書いてみるとい う感じにしてみた。その後発表などもしてみたのだが、終わった後に見返すと、書いてあることと話 してくれたことは少しずつ違い、書いてある内容の方が詳しく素直な気持ちが出ているようだった。 残りの 3 日で使い方を研究していきたい。
振り返り
1 日目は 4 人が参加してくれた。お弁当を一緒に食べ、私自身話しが上手な方ではないため、質問して返ってきて終わりというような感じが数回続く感じに。ごめんという気持ちが強かった。よく無言で一緒にいても気まずくならない関係、なる関係という話題があるが、今回は気まずくならない環境を作るべきだなと思った。例えば音楽を流すとか。家で食事をする時にテレビをつけるか論争もあるが、話題作りの一つとして流していてもいいのではないかと思った。ただ、私の家でも実際に点けているのだが、私と父の席はテレビに背を向けている位置なので全然楽しくはない。実際には母と妹はテレビを見て、私はスマホで推しの配信を聞き、父はスマホで野球の速報を見ていることが多い。私の配信の音がうるさいと言われるが、テレビだってうるさいと言いたくなる。こういう問題があるからテレビ論争があるのだと実感する。ただ、私の家では普通の 雑談が多いのであまり問題視していない。学校でも放送で音楽を流すなどがあったが、やはり考えられて行われていることなのだと実感した。自分でも食事の時に適する方法を考えていきたい。食事の後は今回初めて自作した自己紹介シートを記入して自己紹介を行った。プロフィール帳が小学生のころに流行っていたが、意外と自分が好きなものって聞かれると答えるのが難しい。文芸特講という授業で運命か偶然かという話題の際、好きな色を決めるのが運命(必然)か偶然がという話になったことがあるのだが、こういうプロフィール帳などで自分の好きなものはこれなのだと無理やりにでも決めてしまわないと私が分からなくなってしまうという感覚になる。今回の自己紹介シートを見るだけで性格診断ができそうだ。1つの質問に対して複数挙げる子、1つしか書かない子、空欄にする子、その後に書かれたものに対してみんなでわちゃわちゃ話す時間を作ったからこそ、その子がどんな思いでそれを書いたのか知ることができたが、小学生の頃ってどうしていただろうか。書いた後は提出し、4 月いっぱいは教室に掲示され、各自で暇なときに見ておいてねという感じだったと記憶している。自分を作りきれていない小学生が文字で自分を表現するってとても難しいことなんだと実感した。未完成だからこそその子の素直な感じは見ることができたが、大人が書く自己紹介シートの方が自己プロデュースされていて見世物用だなと感じる。小学生のうちに私はこれが好きなんだと決めていくことで自分が完成されていくのかもしれない。これからこのワークを行う時は、もっと自分を形作っていくためのシートでは なくて、好きかもしれないを考えられるようなものにしたい。実際の様子はみんなで楽しくおしゃべりしつくして 2 時間経っていたという感じ。答えるのが難しいからこそ、普段の会話では出てこないような情報で、仲が良い友達でも意外と好きな食べ物を知らなかったりする。お互いの新情報が知れてきゃっきゃしている様子だった。
どうぶつゲーム
▸ルール説明を参加者に読んでもらう、無言で行うことが特徴だ。ファシリテーターである私は、代 読に合わせてマイムを使った身体表現で説明を行う。これはハンドサインを作る前に行うワークだ。 ハンドサインを作る目的としてこんにちは、はい、いいえなど意思表示や言葉の代わりになる合図に するということがあげられるが、ジェスチャーにしたくないということを考えるとその言葉を発する ときどんな感情になるかを自覚し、その感情を表現する方法に親しみを持つ必要がある。しかし感情 を分析すること、動きをいきなり考えることはとても難しい。なぜなら同じ名前の感情でも感じ方が 人によって違うからだ。そこで、まずは共通で理解しやすい“物”(名詞)からどう感じるか考え、そこか らそのイメージに当てはまる動物を見つけることで、実際の物をジェスチャーで表現するのではな く、イメージから表現するということを体験する。動物に置き換えるというのは、私がきつねのハン ドサインを挨拶に使っていることから考えた。知らない人から見ればただの動物の形でその動物とし ての意味しか持たないが、共有している相手となら違う意味を理解しあえるひみつの合図となる。
振り返り
2 日目はトランプを持って行ってみた。食事が終わってからワークを始めるまでの自由時間にトランプをしたのだが、思い返すとこの時間が最も重要だったと感じている。遊びを通して来てすぐの緊張した気持ちをほぐし、仲良くなってからワークに入ることができた。1 日目にお話ししている時に話題に出て、みんなトランプが好きだというので持って行ったのだが、電子機器が普及しているこの時代にもアナログなトランプの人気は健在だった。私が知らないゲームもあったので教えてもらったり、これは絶対他のゲームのルールだぞという内容もあったが、その場だけのオリジナルルールを作って楽しんだ。あぁいう色々自分たちの世界を作っている時、みんなから口々に新しい考えが自由に出てきて楽しい。 レクリエーションはボール渡しと数字渡しを行った。大人とやる時とは違った発見があって楽しい。最初は実際にボールを投げていたのだが、やはりエアーでやる方が相手のことをよく観察する。実物があるときは落とさないようにというコントロール面に意識が向いてしまい、相手の様子よりもボールに目が行きがちだった。エアーでやっていた時は軌道を想像するため、よりペースは遅くなり、どんなボールが来ていたか 1 回ずつ認識してできていた。数字渡しは、身振りはつけず、声と体の向きだけで行っていたのだが、参加者の子からの提案で 1 数字ずつ風船を膨らましながら渡してみたら声にも反映されて楽しかった。声の抑揚だけで相手に伝えていくことに苦戦していたのだが、ボール渡しを最初に行っていたからこそ、自主的にどうしたらいいのか考え、新しい案を教えてくれたことが嬉しかった。 どうぶつゲームは心配していた説明文の読解にやはり苦戦した。お話ししてはいけないという文章も残したままにしたのだが、これどういう意味?と聞かれたときに他の参加者の子が説明してくれたり、文字を読むの ものぞき込んで教え合ったりしていたので、お話しはしてもいいことにして行った。私が説明してあげた方が分かりやすいし、読めなかったときに恥ずかしくなったりしてしまわなくていいのかなとも考えた。静かだと授業みたいで緊張してしまうから、小学生と行う時はいつもとは逆の環境で周りも自由に話せる空間にした方がいいような気がする。動物を探すときも、小学生は割と自分の意思が強 い時期だから、声に出しながら活動した方が楽しそうだった。相談しているというより、こんなところにもあったというようなそれぞれ実況パターンだった。ここ 2 日間小学生と過ごして、みんなおしゃべりで1つの会話をみんなで続けていくというよりかは、1 人ずつの中で会話が繋がっているなと感じている。だからこそボール渡しは全員で繋げるということをより感じたし、どうぶつゲームではそ の特徴があるからこそ一人一人が意思を思って探すことができたのだと思う。付箋を貼った後は、1 人ずつお気に入りのものを探して動きを作った。1 人で作るのは難しそうだったから、全員で考えていく方式にした。その動物を手で作り、物の特徴も付け加えていく。ただ誰かのをまねするだけでなく、みんなで作っていても必ず自分の考えを可視化できるようにしたかったため、少し考えて、片手で一部分だけでも発表した後、お互いのを見合って好きなものを取り入れて動きを完成させていった。自分が考えたものに思い入れがあったり、他の人の考えを聞いて納得するものにも気づいたりすることができた。1 人で作るのではなく、みんなで一斉に作っていくパターンだと自分では気づくことができなかったニュアンスに出会えるから面白い。人数が少ない時はこのパターンの方がいいと感じた。模造紙に感想書くのも結構成功している気がする。すぐに口に出して言えなくても、紙に書くのだった ら沢山案が出てきて、その後の発言タイムも思考がまとまっているから話しやすくなっていたようだった。
漢字のなりたち
▸漢字の成り立ちを調べると、その漢字から想像する意味とは違う意味が隠されていることが多くある。組み合わせの漢字だと、元のパーツは完成した漢字のイメージとは少し違ったりして面白い。それがなんだかそれがひみつの合図らしくていいなというところから漢字の成り立ちを使いたいと考えた。例えば、漢字の意味からハンドサインにする、漢字の形そのものをハンドサインにする、成り立ちを調べてハンドサインにするという 3 種類を比べても面白いかもしれない。時間が余ったら自分の名前の漢字を調べるのも、由来以外の意味を知れてとても楽しい。
振り返り
3 日目は参加者が 1 人しかいなかった。ただ、一人だったからこそその子の思考がよく分かったし、ペースに合わせて進めることができた。ごはんを食べて、トランプをし他の子が来るかもしれないからと待っている間、いろんなお話をした。レクリエーションの時間も使ってお話ししていたため、そのままワークに入った。まずは 2 日目に作ったハンドサインからイメージできる漢字を探し、その漢字の成り立ちを手で表してみた。文字の形に込められた意味には、その漢字からは想像できない意味がついているものも多く、その意味も元々動物のハンドサインで考えていたものと似たものがあったらそこに関連付けられる発見などがあり、調べてから見つかっていくのが楽しかった。小学校 6 年間で習う漢字一覧から探していたのだが、まだ習っていないも多く、だからこそハンドサインの形に似ている漢字を選ぶこともあった。意味が似ているものではなく、形が似ているもののため 2 つの意味を掛け合わせた新しい意味のハンドサインを作れたりもした。普段だったら指の可能性は無限なのにやったことがあるような動きしか出てこないが、漢字から考えることで再現しようと新解釈をして新しい形を作ることがで きた。最後は自分の名前を使ってハンドサインを作ってみた。1 回は親から聞いたことがある自分の名前に込められた意味に、新しく漢字自体の意味も加わることで自分の名前の好きなところが増えたようだった。1 人だったが、時間いっぱい飽きることなく次から次に探して、沢山のハンドサインを考えることができた。気持ちを表すものとしても使えるが、単純に授業のような場面でも使えそうだ。
きもちレベル
▸嬉しい、悲しいを3段階のレベルに分けてハンドサインを考える。具体的なシチュエーションからそのレベルにあった動きを考えていく。私は辛い時ほど言葉が出てこなくなる。不登校になって病院に連れていかれたときも一言も発することができなかった。初めてあった人ばかりのグループとかも相槌しかできない。誰かに相談する、される場面において、言葉で何が辛いのか話すことも解決の糸口に繋がるが、ただただ苦しいんだという気持ちを 3 段階の動きだけでサインを出すことだけでも、心が安らぐきっかけになると思う。なにが嫌なのか言葉にできなくって、分からないことが辛かったりするが、理由はそれだけで十分ではないか。もちろん周りの人が心 配してくれているということも理解している。私の親は私が不登校になったことによって、私以上に躍起になって苦しんでいたように思う。考えていく過程で、ある意味このハンドサインは私側のためではなく、私みたいな人と関わらなければならない人たちのための救済だと感じた。無理に言葉にしなくても伝わる関係、コミュニティを作っていきたい。
振り返り
4 日目は話を聞いて、私も来たいと言い新しく来てくれた子がいた。自己紹介シートを書いてもらい、トランプで遊んだ。まずレクリエーションは静かな森を行った。2 日目に行った数字渡し、ボール渡しの言葉バージョンだったので、まずはボール渡しを行い、そのあとに静かな森を行った。言葉は、かわいい扇風機を使い、前回同様風船を膨らませて行った。こんなにけらけら笑える感覚がずっと続けばいいのにな。ある程度文字列が長く、意味がないけどある言葉になったからこそ、数字渡しよりも強弱をつけやすくなり、自然と体の動きも大きくなっていたようだった。また、2 回目だったから、相手からもらったものを自分なりに変化させて次の人に渡すことができていた。時間が少し余ったため、演技実習でやったことのあるゲームもやってみた。手拍子で前の人とは違うリズムを重ねていき、大きくしたり小さくしたりするというもの。座っているだけでは物足りなくなったので、全身を使って部屋中を歩き回りながら音を重ねてみた。自分の音だけど、全員で作っていて、ずれたら崩 れてしまうという感覚を楽しめていたようだった。 きもちレベルは小学生相手に少し難しい内容だったかなと思いつつ、本当にやりたいことはこれだったし、私が知ろうとできていないだけで素敵なこと考えているんだなということが分かった。手を握るって色んなことが伝わっちゃうから、高校の時のソロ作品でもテーマにしたことがあるのだが、また改めて話題に上がって、手を握るって抱きしめるよりハードルは低く、より相手のことを言葉に しなくても伝わっちゃうから敏感で好きな行為だなって思う。体温とか、震えとか、強さとかちょっとした痙攣でも伝わっちゃう。辛くって話したくない時でもこの「手に力を込めた時の筋の出方」に注目できたのは発見だと思うし、いいハンドサインが見つかったなと思った。
↓どうぶつゲームの様子

↓ボール渡しの様子

↓思ったことを自由に書き込める模造紙
